自由世界防衛軍 (Free Worlds Guards)
2272年、初の“議会”の第1期に於いて、“議会”は“合併文書”の条項を執行し、歩兵/装甲部隊の10個連隊を創設した。そして、これらの連隊に対する権限は平時には防衛省、戦時には総帥に与えられた。今日、この“自由世界防衛軍”の3個バトルメック連隊は、その遂行中のライラ共和国に対する戦争にて総帥が使用できる軍部隊の中核である。“決議288号”の条項の下、これらの連隊群はどの特定の自治国や一族(もしくは“議会”)に対するものよりもマーリックに対してその個人的な忠誠を捧げている。2804年にサディアス・マーリックによって作られた伝統に基づき、全ての新たなマーリックの当主は(彼等から)改めて個人的な忠誠の誓いを受けるものである。
自由世界防衛軍は、その質と団結力に於いて部隊間で非常に異なっている。幾つかの部隊は良く訓練されていて装備も良好である一方で、他の部隊は人の出入りが――特に指揮官の出入りが――激しい様に見えるものであり、大抵の場合に於いて修理を受けたり装備を入手したりするのに困難を抱えているのである。それでも尚、これらの連隊群の多くは長い伝統を持っており、その幾つかは自由世界同盟初期にまで遡れる。多くの面に於いて、自由世界防衛軍は自由世界同盟で最も重要な部隊であり、それ故に“議会”は彼等に対して適正な資金を供給せざるを得ない。そして、彼等は如何なる自治州に対しても全く忠誠を持たないのであった。
部隊名: 第1防衛軍 (1st Guards)
指揮官: バーソロミュー・アルカラ大佐
経験レベル: エリート
メック重量: 重
戦闘機重量: 軽
部隊概要:
強襲部隊として2426年にピーター・マーリックによって最初に作られたこの連隊は、重要な地を確保したり橋頭堡を作り上げたりする為に編成されている。25世紀中期に自由世界同盟がメックの製造を開始して間もなく、この連隊はメック連隊へ改編された。ジェラルド・マーリックの在位期間の最中、“第1自由世界防衛軍”は“アトレウス”を“防衛”する為に呼び戻された――そして、ジェラルドの娘であるエリーズは第1防衛軍を用いて多数の議会議員達を拘束し、内戦を勃発させたのであった。継承権戦争の最中には、第1防衛軍はマーリックの兵力内に於ける最高の先鋒かつ最も有力な攻撃的脅威の1つであり続けた。
この第1防衛軍は、重量級メックの2個大隊と中量級メックの1個大隊で構成されている。最良の技術者と支援人員達が第1防衛軍に引き寄せられている――実際、この部隊は他の連隊にて大いなる権限を持った地位に就けるように新米技術者達を訓練しているのである。伝統的に、第1防衛軍は2つのメックのポストと1つの技術者のポストを士官学校卒業生用に毎年開けたままにしている。
現在、第1防衛軍はハンサムで力強い体格をしているバーソロミュー・アルカラ大佐に指揮されている。彼は、極めて有能なメック指揮官である。また、アルカラは戦略にも精通している。しかしながら、彼は軍事作戦実施に対する自らの上官達との意見の相違により敵を幾人か作ってきており、その事は彼が前任者のトシロウ・ド・メディチ大将の様により高い階級に就くのを押し止めている。
部隊名: 第2防衛軍 (2nd Guards)
指揮官: ジョサイア・キンボルトン大佐
経験レベル: 古参
メック重量: 中
戦闘機重量: 軽
部隊概要:
“議会”によって特に設立された最初のメック部隊が、“2464年防衛法”により作られた“第2自由世界防衛軍”である。第1防衛軍と同様に、第2防衛軍も強固な伝統を持っており、部隊への入隊を許された少数の者達に相当な誇りを徐々に浸透させていく。第2防衛軍の標語は“永遠の忠誠”である――そして、総帥の彼等に対する信頼は一度も裏切られていないのであった。
第2防衛軍は、第1次継承権戦争の最中に激戦を経験している――その時、彼等は地球帝国宙域への攻撃の先鋒に立ったのである。ケニヨン・マーリック総帥は2789年の“プロキオン”方面作戦の最中に“地球”奪取の機会がある事を第2防衛軍に対して請け合ったが、第2防衛軍の秘密基地は所在が漏れて攻撃を受けてしまった。その直後、“地球”に向かっての攻勢は中止された。その時にはコムスターの傭兵部隊が既に“地球”を奪取していた事を理由に、幾人かは第2防衛軍が攻撃を受けたのはコムスターに要員があるのではないかと信じているものである(当然ながら、これは誤解である)
この蹉跌にも拘らず、第2防衛軍は第1次継承権戦争の最中には地球戦線、後にはカペラ戦線にて多数の戦闘を経験した。第2次継承権戦争が勃発した時には、第2防衛軍はカペラ人達が保持している惑星“シロV”への攻撃の先頭に立ち、大量のメック部品と補給物資を鹵獲した。しかしながら、第2防衛軍は動揺する事となった――それらの戦利品は第2防衛軍自身の再建と補給には使われず、他の部隊の再編成に使われたのである。その後、この部隊はライラ戦線に配置換えされ、それ以来、そこに留まったままである。この部隊は自らの兵器を政府に対して向けた事は決してないが、その忠誠心に対して抱かれた疑いはアントン・マーリックの反乱の最中に彼等を戦争宙域から遠ざける事となった。
今日、第2防衛軍は中量級メックの3個大隊、軽量級メックの1個偵察中隊、軽気圏戦闘機部隊、強襲型メックの1個火力小隊で構成されている。第1防衛軍と同様に、第2防衛軍も最高の技術者と支援人員達を引き寄せている。
第2防衛軍の指揮官は、多数の勲章を授与されているジョサイア・キンボルトン大佐である。キンボルトンは10000t以上の撃墜を記録している事を表す2個のダイヤモンドが飾られている殊勲章の保持者であり(従って彼の愛称は“必中”というものになっている)、誉れ高きサーベル騎士団の一員でもある。彼は17歳の時からメック戦士であり続けており、努力して現在の階級まで昇ってきている。彼は素晴らしい野戦指揮官であるが、軍事作戦行動全体を立案するという軍務には些か適していない様に見えるものである。政治に素人である彼は“議会”に対して自由世界防衛軍にかつて存在した他の3個連隊の復活を陳情しているが、それが現実のものとなる見込みがないのは明らかであろう。
部隊名: 第3防衛軍 (3rd Guards)
指揮官: アルブレヒト・キール大佐
経験レベル: 一般
メック重量: 中
戦闘機重量: 中
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