バッド・ドリーム
(BAD DREAM)


 第1次継承権戦争の最中にカペラ大連邦国によってドラコ連合内に置き去りにされた戦力減少1個大隊がその起源であるバッド・ドリームは、2個装甲大隊と1個大隊の気圏戦闘機に支援されている完全な1個メック連隊へ拡大する事を為し遂げた。クリタ家かダヴィオン家のどちらかによって長い間雇用されてきていた彼等は2866年にライラ共和国と契約を結び、第3次継承権戦争が終結するまで彼等の下に留まり、当初は長距離襲撃部隊として働き、(その1世紀後には)惑星“ニュータウン・スクエア”の長期間に渡る防衛部隊として働いた。3020年代には、強襲に重きを置いていたバッド・ドリームはその比較的無活動であった結果としてかなりの借金を抱える事となっていた。ここで自由世界同盟の契約の1つは彼等のライラの契約が更新されるまで2年を残した所で彼等にそれを放り出させるのを唆す事に成功し、そして、マーリック家はこの傭兵部隊を活用して自らの辺境国境の幾つかを強化した。しかし、この新契約はバッド・ドリームに幾らかの再編をする事を可能にさせたが、最終的にはそれが以前の駐留任務と同様に平穏なものであるのを証明する事となった――財政状態は回復したにも拘らずこの傭兵部隊の戦場での切れ味と結束力は更に鈍る事となったのである。
 そして、バッド・ドリームの多くの者が呼ぶ所の“62年のパロディー”が起った。そのライラの国家に対して負っている膨大な借金についての申し開きを惑星“アウトリーチ”にてするべく呼び出されたバッド・ドリームはLAAFによって訴訟を起され、その和解契約に於いて彼等の宇宙空間で操作される全ての資産の大部分は差し押さえられる事になったのである。
 その輸送船の大部分を奪われたもののバッド・ドリームは自由世界同盟の被雇用者として存続し続ける事ができ、“聖戦”が始まった後でさえも自由世界同盟に留まった。(“聖戦”の)初期の戦闘による激変にも拘らず、バッド・ドリームはその惑星“ケンダル”での駐留契約を保持し続けたのである。実に、“アトレウス”での近年の政変の際にも、ヘンリー・ボルトマン大佐は、“自由世界同盟の正当政府”との契約を尊重するつもりである、と言明しているのであった。
 3070年、バッド・ドリームは自分達がいる宙域での突然の海賊活動の急増を経験する事となり、その連隊は海賊の襲撃やマリア帝国の襲撃から惑星“ケンダル”とその周辺の星系を防衛するべく忙殺させられた。第2大隊と第3大隊が惑星外での索敵攻撃任務に就いていた間に、惑星“ケンダル”のブルックス株式会社の工場が正体不明の海賊の大規模な集団に攻撃された際には、バッド・ドリームの第1大隊は1個中隊分のメックを失った。しかしながら、伝えられる所によれば、この部隊の損害は手厚い外部からの支援――これにはワード・オブ・ブレイクと関係を持っているのが疑われている様々な現地の企業からの寄贈も含まれている――により素早く埋め合わせられたとの事である。MRBCのスポークスマン達は、バッド・ドリームのここ最近の棚牡丹の贈物の出所についての調査が進行しているかもしれない事を示唆している。
 3071年11月、バッド・ドリームはその最大の損害を被った――戦闘ではなく大量退職によって。ナイトクローラーズ装甲分遣隊とバッド・ドリームの多数のメック戦士達が突然に集団で部隊から離脱をしたのである。伝えられる所によれば、彼等は独立した傭兵部隊としての登録をする為に、惑星“ガラテア”行きの民間降下船に乗り込んだとの事である。ボルトマン大佐によって明かされている公式の話は、それらの部隊は“哲学的な衝突”を原因として離脱をしたものである、との主張をしている。しかし、惑星“ケンダル”で飛び交っている噂は、ボルトマンがロッホシュミット中佐との下手なフォーカード・ドラックス(注:自由世界同盟で流行しているカードゲームの一種)にて部隊の幾らかの所有権を単に失ったからである事を指し示している。

ドラグーン・レーティング: C(審理中)

バッド・ドリーム
 ロナルド・ホフマン少佐はバッド・ドリームの戦術的な多様性の強化を試み続けているが、部隊のメック中隊群は戦争に対する創造性に乏しい単刀直入なアプローチを示し続けている。しかし、かような戦術は大抵の場合に於いて海賊部隊を処理するには十分である一方、近年の惑星“ケンダル”のブックス社の工場に対する海賊団の襲撃成功は、現状のバッド・ドリームが達成しているものよりも更に創造性に富み更に積極的な部隊の方が価値がある事を証明しているのであった。


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