デス・コマンド
(DEATH COMMANDOS)


 デス・コマンドは、有能で無慈悲な存在として知られている。彼等の強硬な戦術で一際光を放つ例を挙げるとするならば、近年に惑星“ウェイ”で行われたものであろう。惑星“ウェイ”の抵抗者達が再発見された神経化学兵器をマッカロン装甲機兵団に対して用いた後(数分間で、マッカロン装甲機兵団員の熟練したメック戦士が36人も死亡した)で、恐れずに反乱を起こした惑星の鎮定を試みられるカペラ大連邦国の部隊は極僅かしか存在していなかった。故に、最終的にデス・コマンドに対して必要とする全ての方策を用いての“ウェイ”の支配権掌握が命じられたのである。そして、任務の為にデス・コマンドの隊員達は、与えられた命令の全ての自由裁量権を活用したのであった。
 “ウェイ”での恐るべき作戦は7日間続いた――これは、事前に配分された通りの正確な期間であった。自分達の降下船が発見される危険を冒すよりはと、デス・コマンドは“ウェイ”にバトルメック無しで潜入した。最初の1日目、デス・コマンドの分隊は主要軍事通信施設のコントロールを奪取し、“ウェイ”の惑星政府へ30分以内の無条件降伏を要求する通信を送った。もし要求が拒否されたのならば、デス・コマンドはきっかり1週間後に同様の要求を行う予定であった。この降伏勧告はまた、公務員達に破壊活動分子かつ反逆者達であると烙印を押していた――従って、彼等も攻撃目標になるのである。
 惑星政府は回答を拒否した。故に31分後、デス・コマンドの分隊は通信施設を爆破した。それから続く6時間で、高い地位に就いている政府要人と軍士官が37人、デス・コマンドの手によって死亡した――彼等はあらかじめ配置に就き、撤収合図が発せられるまで作戦を遂行する事が命じられていたのである。そして、最初の48時間が終る頃には、惑星上で生きている最も高い階級の士官は少佐になっていた。更に、デス・コマンドは最大の物資集積所を3つ破壊し、それに加えて惑星の主宇宙追跡ステーションをも破壊していた。また、“ウェイ”の衛星システムの無力化を見て、デス・コマンドは降下船とバトルメックを地上に降ろし、無慈悲な力で以って攻撃を加えたのであった。
 6日目、発足した“ウェイ”の新政府は、矢継ぎ早に降伏の通信を行った――しかし、その全てをデス・コマンドは無視した。そして同日の午後、デス・コマンドは市民軍の残存部隊と交戦し粉砕した。“ウェイ”の兵士達の多くは逃亡し、公務員達も攻撃目標になる恐怖の為に仕事を放棄して逃げ出した。7日目、デス・コマンドは掃討作戦を実施して四散した惑星軍部隊を追跡し、撃滅していった。また、デス・コマンドの降下船が惑星の首都を襲撃し、惑星政府の主ビルディングを更地にした事は、劇的な止めの一撃となったのである。
 デス・コマンドが最終的に“ウェイ”の降伏を受け入れたのは、7日目の真夜中であった。

主要士官
 マイケル・ヒュン=ツェイは15年間、デス・コマンドを率いている。カペラ戦闘部隊のベテランだった彼は、武家出身でない最初のデス・コマンド指揮官である。無慈悲で、“マスキロフカ”によって社会病質者の境界線上にいると判定された人物である彼はまた、首相と自分の認めた者達には忠誠を誓っている――そして、後者については流動性があるものである。しかし、少なくとも1回、ヒュン・ツァイは、彼の命令に疑問を呈した部下の1人を射殺している。彼はまた一度、チームを必要でない危険に晒した些か無謀であった同僚を処刑したデス・コマンド隊員を表彰してもいるのであった。
 第2大隊の指揮官であるウラジミール・コルスカフは、“ウェイ”に於いて恐るべき軍事行動を計画し、目標の選定と最終攻撃の指揮を行った。目標を撃破した後、常に、その上に自身の“死の署名(デス・マーク)”を記す事で有名である彼は、“処刑者ヴラッド”のニックネームを奉られている。

戦術
 デス・コマンドは、その名声が戦場に於いて自分達に強みを与える事を信頼している――彼等の名声は能力に裏付けられたものなのである。この部隊の最高の技量を持った戦士達は、中心領域や氏族の間の如何なる部隊と比べても決して劣る事は無い存在である。デス・コマンドのチームは、まるで1つの意志で導かれたかの如く動く――そして、これにより彼等は他の部隊の殆どを凌ぐ能力を得ているのであった。また、デス・コマンドは敵を素早く撃破する重厚極まりない戦闘を行う為に、単純明快な機動、突き出された槍の穂先の如き突進を使用する傾向がある。

デス・コマンド
部隊規模: 2個大隊 熟練度: エリート 忠誠度: 熱狂

指揮官: マイケル・ヒュン=ツェイ大将
第1大隊: サド・ローンストック大佐
副指揮官/第2大隊: ウラジミール・コルスカフ大佐

 デス・コマンドは1個独立指揮小隊が含まれており、この小隊は大抵の場合、第1大隊に配属されている。デス・コマンドの各隊員は、2機のバトルメックの保有が可能である。大部分の隊員は、その時で最も優れた技術が搭載された新設計機を選択する。そして、2番目の機体には、旧式だが信頼性の高い頑強な設計を選択する事が多い。デス・コマンドの隊員は、2機の機体の内の片方もしくは両方へ頻繁に改修を加えている。与えられた任務用のバトルメックの選択は、しばしば利用可能な支援施設や物資によって左右されている。



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