グレイヴ・ウォーカーズ――“全ての良い事は”
(THE GRAVE WALKERS: ALL GOOD THINGS)


 グレイヴ・ウォーカーズの創設は余りにも昔の事であり、何時、何所で、何故、彼等が生じたかについては長い年月で失われている。幾人かは、星間連盟、或いはメックよりも前から、この部隊が始まっていると主張している。時を経て、彼等は、過去の世紀に存在していた幾つかの異なる勢力や5大王家の全ての為に働いた経験を有していた。エリダニ軽機隊やブルースター・イレギュラーズの様な集団と同じ程には有名でないが、この部隊の堅実な能力とプロフェッショナリズムについての名声は2864年に彼等が予期せずライラの為に働く事になった際にライラ人達による束の間のメディアの賞揚を保障するのに十分であった。
 3050年の氏族の侵攻は、それ以前には成功していた傭兵部隊の多くを手酷く叩き、その中にはグレイヴ・ウォーカーズも含まれていた。ジェイドファルコン氏族は一連の戦闘でこの部隊の多くを破壊し、完全な諸兵科連合の支援を有していた2個連隊であったものをその破片の中からようやく寄せ集められた1個大隊の兵士達に過ぎないものに打ち減らしたのである。しかし、身体を損ない自身の兄弟も戦死したのであるが、ジェイソン・マーウィンは部隊がその最も危険な時期を通り抜けるのを見届けるのに十分に長い間指揮官として留まり続け、その後、3057年に当時少佐であったアールウ・キラに指揮権を譲ったのであった。
 3062年には、グレイヴ・ウォーカーズは、見た所気力のみで、苦労して自分達自身を1個連隊にまで再建した。あらゆる戦場をサルベージ品を探して彷徨い、自分達にできる限りのあらゆる志願者を獲得し、連隊は、ワコー特戦隊、第12星間防衛軍、更には(移籍に)価値を見出したウィルソン軽機隊出身の少数の兵士達等、他の部隊から来た様々な移籍者達の寄せ集めとなったのである。
 3064年、ジェイドファルコン氏族が再び襲ってくるまでは、部隊にとって事態は好転してきている様に見えていた。惑星“コーケンズ・プレジャーランド(コーケンのお楽しみの場所)”にてその連隊の半分を失い、惑星“バベスキー”にてもう半分の大部分を失ったこの部隊は、惑星“アークロイヤル”に24人のメック戦士と8機のメックに過ぎない状態で到着した。失機者となったパイロット達と通常部隊の兵士達の全てが即座に部隊を見捨て、彼等と共に部隊を再建するという如何なる望みも奪われた。そして、この事は、惑星“アークロイヤル”への到着直後に現れたアールウ・キラ大佐の精神問題の悪化の一因となり、彼の早期の引退を導いたのである。
 グレイヴ・ウォーカーズは、自分達のメックを海緑色で以って強調した深緑色で塗装している。彼等の徽章は、墓石の上にある頭蓋骨である。

ドラグーン・レーティング:

主要士官
 この部隊の副指揮官であるゴーラン・テヴト中佐は、キラ大佐が一連の神経衰弱を患い辞職した時以来、指揮を引き継いでいる。テヴトは兵站学には極めて優秀であるのだが、主計以外の事については臆病に指揮をしており、このストレスは驚くほど多量のアルコールを毎晩飲む事を始めるという状態に彼を追いやっている。

戦術
 連隊全体の突然の喪失は、この部隊の専門分野の大部分の消滅を引き起している。しかしながら、生き残り達は、防御作戦の際の自分達の成功チャンスを向上させる為の固定砲座や地雷原の使用についての訓練を積んでいる。この部隊に残されているLRMランチャーの正に全てが、何らかの形態のサンダー弾頭を発射する為の装備をしている。

支援
 グレイヴ・ウォーカーズは現在、過剰な技術支援と輸送能力を持っており、それらはケル・ハウンドの施設の使用料を支払う為にケル・ハウンドに貸し出されている。しかし、この事は“逆効果”となり始めている――“貸し出し中”の技術者と降下船船長達の多くが、自分達が貸し出されている部隊との恒久的な契約を結ぶ為にその機会を利用しているのである。

グレイヴ・ウォーカーズ
部隊規模: 1個増強メック小隊 熟練度: 古参 忠誠度: 疑問

指揮官: ゴーラン・テヴト中佐

 ゴーランは生き残った8機目のバトルメックを予備部品の為にスクラップにしなければならなかった際に第2小隊を解隊し、部隊をメック7機の1個小隊へと編成した。この部隊は全体がアップグレードされている。また、部隊は、2機の氏族メック――1機のダッシャーと1機のバブーンを持っている。

グレイヴ・ウォーカー・マインレイヤーズ
部隊規模: 1個装甲中隊 熟練度: 新兵 忠誠度: 疑問

指揮官: ロブ・プレイザー中尉

 このマインレイヤーズは、LRMランチャーが溶接されているジープや平台型トラック等の非戦闘車輌の群に過ぎず、接近して来る敵部隊の速度を遅くする事を意図した地雷原の敷設をその手でする為に行動している。


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