クラーケン・アンリーシュド
(KRAKEN UNLEASHED)


 フィル・マクベイン少佐は水上戦闘と水中戦闘の専門家達を集め、MRBCに登録した中で最も独特である傭兵部隊の1つ――クラーケン・アンリーシュド――を創設する事を為し遂げた。カペラの惑星“レムシールド”での任務の最中、3066年後期の海賊の襲撃があった時に、これらの水上/水中艦船のスペシャリスト達はその真の実戦を経験した。ここで惑星の大規模な水路の巧みな活用により、攻撃をしてきた襲撃者達の分断をできたクラーケン・アンリーシュドは、2個小隊以上の重メックと車輌を捕獲した。マクベイン少佐は数輌のサラセン戦車を自分の部隊のものとしつつも、その他のものは相当な儲けで以て売却した。そして、その後に、彼は自分の副指揮官が持っている自由世界同盟内の広範なコネを活用して、アルゴ級潜水空母を購入した。3065年の惑星“サンニコラス”へのマリア帝国の襲撃にて損傷していたこの巨大な艦は、それが原因で放棄されていたのであるが、圧力を掛けたり裏取引をしたりする事で以てニールソン・グーストー少佐はそのSNS“スネーク・リバー”の船体の購入を為し遂げ、それは分解されてクラーケン・アンリーシュドに対して発送されていった。
 (この時)惑星“レムシールド”での力強い防衛戦に感銘を受けたカペラ大連邦国はクラーケン・アンリーシュドの契約を延長し、彼等を惑星“プリンシピア”へ配置換えした。そこでならば、この傭兵達の特化している戦闘経験はそのカペラ大連邦国の法学の府(この地は丁度、幾つかのカペラの貴族達の荘園が存在する場所でもあった)を防衛するのにより良く寄与するであろうと思われたのである。ここで自らの水上支援部隊用に建造した改装水上補給整備艦群を輸送するのが不可能であったマクベインは、それらの巨大な艦船群を割引価格で“レムシールド”政府に売却した。この売却による利益は、到着しつつあるアルゴ級を新たな駐留地へ転送する費用に振り向けられた。
 3069年後期に惑星“プリンシピア”に到着したクラーケン・アンリーシュドは、自分達のその新しい環境に素早く慣れていった。そして、惑星市民軍の事を即座に気に入ったマクベインは、一連の図上演習や訓練演習を開始し、両部隊の協調を深めていった。
 3070年8月、クラーケン・アンリーシュドのアルゴ級は遂に到着した――2隻のミュール級降下船によって3つの主要部位が運ばれてきたのである。傭兵達はその“スネーク・リバー”の3ヶ月間に渡る改装と修理で以て、現地の造船業経済を一時的に活性化させた。11月、遂に進水をした時、その“スネーク・リバー”は惑星市民軍のメックバスター戦闘機の小編隊と4機のオスカーを搭載していた。そして、“スネーク・リバー”はカペラの多くの荘園から見える所でその最初のパトロールを開始した――分裂しつつある自由世界同盟からのアンドゥリエン公国の近年の離脱後、マクベインは現地の貴族に安心感を与える為に力強さを見せる必要性があると感じていたのである。
 3071年3月、その現地の懸念は正当なものであった事が証明された。カペラ大連邦国の注意がダヴィオンの戦線とブレイク保護領の戦線に向けられている間にそれから惑星を奪う事を望んだ、新創設の第1アンドゥリエン特戦隊が、ピョンヤン島に降下したのである。アンドゥリエン特戦隊は貴族階級を脅かしてアンドゥリエンにこの惑星を割譲させる事を望み、海岸線の豪華な荘園群を可能な限り多く破壊しようと努めた。
 しかし、その戦略は、“スネーク・リバー”が突発的な嵐の中を急行して攻撃位置に付いた為に、僅か1日しか機能しなかった。また、クラーケン・アンリーシュドのマーマン隊は自らの高速攻撃ホバークラフトを活用して海岸線沿いを進み、幾つかの歩兵小隊を降車させた。そして、それらは疲れているアンドゥリエンの大隊に間断の無い攻撃を開始した。また、マーマン隊の戦闘工兵達はアンドゥリエン特戦隊に1つの主高速道路を進む事を強要すべく、幾つかの補助的な橋――その多くは消滅したピョンヤン鉄道線に属するものであった――を爆破した。アンドゥリエン人達が自らが海岸線沿いに伸びきっているのに気付いた時、“スネーク・リバー”から発艦した市民軍のメックバスターが彼等のメック群と車輌群に躍り掛かった。かくして、絶えず続く狙撃の1日を生き残った上で最後に予期せぬ空襲を受ける羽目になったアンドゥリエン特戦隊の士気は崩壊した。――アンドゥリエン軍は、惑星“プリンシピア”から直ちに撤退をした。

ドラグーン・レーティング:

クラーケン・アンリーシュド
 自由世界同盟内でのみ入手可能である部品の不足により、完全に機能はしていない状態である“スネーク・リバー”は短い時間でしか潜水をできないが、それでもこの傭兵部隊の主隊の最重要物となっている。それにも拘わらず、この空母のマンパワーの大部分が現地の市民軍と住民達により供給されているが故に、現地のオブザーバーの多くはクラーケン・アンリーシュドが惑星“プリンシピア”から立ち去る際には空母を自分達の手に委ねるであろうと信じている。
 マクベイン少佐は自分の部隊を、水中戦闘と水上妨害攻撃の両方で絶えず訓練させている。その好む戦術は、部隊の軽量級ホバークラフトを活用して敵部隊を海岸――そこに隠れている数隻の潜水艦(“スネーク・リバー”によって増強されている)が奇襲攻撃をできる場所――に誘き寄せるというものである。

ザ・マーマン
 “スネーク・リバー”で勤務する為に契約をした一般市民の義勇兵達のお蔭で今や1個連隊以上の規模になっており、そして、グーストー少佐はCCAFからバトルアーマーをあわよくば購入する事を試みている。また、マーマン隊はクラーケン・アンリーシュドのホバーAPCや潜水APCと共に訓練をし、自らの能力を最大の戦術効果を持つものへと伸ばす新たな方法の発見も試みている。

ザ・フライング・フィッシュ
 メックバスターとオスカーの混成物で構成されている、この新たにフライング・フィッシュと改名された部隊は、クラーケン・アンリーシュドに貸し出されているプリンシピア市民軍の公式の支援航空大隊である。そのパイロットの少なくとも半数は、未だに水上着艦が未熟である。


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