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ローンウルヴズ (LONE WOLVES) |
第3次継承権戦争の最中に最初に出現して以来、ローンウルヴズに関する話には共通するものがあった――大規模な戦闘が起る前に、この悪名高い傭兵部隊はそこに現れ、その目的地とした星系に対して自らのサービスを法外な値段で売り付けるであろうとの。そして、この持ち掛けを断った場合、伝えられる所によれば、その後にローンウルヴズは攻撃側に対して自らのサポートを売り付ける交渉を開始するであろうとの。しかし、3025年の惑星“ガルターIII”での地方的な戦役の中で信頼性が与えられはしたものの、多くの者はローンウルヴズの名声を、弱体な地方政府を脅えさせてこの反抗的な部隊が要求する法外な報酬を支払わせるべく考えられた噂や作り話に過ぎないものである、と無視した。また、大勢力もローンウルヴズを無視したが、地方の貴族達――前線に近い貴族達――は、大抵の場合に於いて、たとえ不必要な危険を冒すのを避けるだけであったとしても、誇大な宣伝を信じてしまう程度に騙されやすいものである事を証明した。
3067年、その全ては変化した。連邦=共和国内戦終結から間もなくして、ローンウルヴズは惑星“アウトリーチ”に降り立ち、惑星政府に対して星系防衛用に自分達のサービスを売り込んだ。ウルフ竜機兵団が既知宇宙で最も強力な守備部隊の1つを提供しているが故に、“アウトリーチ”の指導者達はその売り込みを一笑に付した。しかし、それから僅か数週間後に、ワコー大佐はブレイク教徒が作り上げたテンプタウンの傭兵部隊の集団の支援を受けてハーレクに対する奇襲攻撃を開始したのであった。ここで、ローンウルヴズの“コミッティー”は攻撃側に自分達のサービスを売り込む事はせずに傍観をし、事実上、その自らの最初の売り込みをオープンなままにしたのであるが、それは無に帰する事となった。その時、数人の元・コムガードの戦士達に率いられているローンウルヴズの1個メック中隊が離反をしてウルフ竜機兵団本拠防衛軍火力基地に対する攻撃に向かい、ローンウルヴズが最終的にはテンプタウンの反乱者の側に付いた、との噂が素早く広まってしまったのである。これらの噂は彼等自身の連隊内にも広まり、多くの者がウルフ竜機兵団とワコー大佐のどちらの側に付くかを決断し、彼等自身の基地内で(外のものの)縮小版の戦争が開始された。数時間もの激しい戦闘が行われた後、最終的に“コミッティー”は介入をしてウルフ竜機兵団支持派に加わり、命令に明らかに従わなかった者達、ブレイク教徒が背後に付いている部隊に加わった者達を抹殺した。また、ブレイク教徒の潜入工作員と思われる者を含む数人の離反者達は、この星系から逃亡する為に部隊の降下船の内の1隻を奪取してもいた。これに、“コミッティー”はウルフ竜機兵団支持派の分遣隊を惑星“アウトリーチ”に残して(非常に皮肉な事に、彼等は後にワコーの一味であると誤解されて、ウルフ竜機兵団の“コンディション・フェラル”の最中に殲滅された)裏切り者達を追撃し、ジャンプポイントにて短時間の戦闘をした後にその自らの降下船を破壊した。そして、惑星“アウトリーチ”が自分達にとっての死の落とし穴へとなった事を理解したローンウルヴズは、最も近くにある正当な雇用ホールが存在する場所――惑星“ガラテア”に向かって逃亡した。
メディアの間でセンセーショナルに扱われた一連の物語が傭兵に対する公衆の不信の念を駆り立てた事により、惑星“ガラテア”に到着したローンウルヴズはその後は目立たない様にしている――恐らく、手酷い損害を被った自分達の部隊と傷ついてしまった名声の再建に苦闘しているその時に、自分達のその新たな避難所で報復を受けるのを懸念しての事と思われる。しかしながら、傭兵の皮肉屋達の多くは多少の安堵を抱きつつ言及をしているものである――ローンウルヴズは未だに惑星“ガラテア”の政府に対してそのサービスの売り込みをしてはおらず、従って少なくとも今の所は、雇用ホールが当面は攻撃を受ける事はなく安全であろう、と。
未だにMRBCによって登録されていないが、“アウトリーチ”以前・最中・以後でのローンウルヴズの活動についての調査とその後の彼等の惑星“ガラテア”への脱出は、この部隊が罪を犯した可能性が全くない事を明らかにしている。実際、調査員達は、自らの部隊の反ウルフ竜機兵団派に対する“コミッティー”の果断な行動を賞賛する、と公的に発言をしているのであった。しかし、奇襲攻撃が行われる直前に彼等が星系へ到着していた事は、惑星政府に前以て情報を伝えるべきであった事を指し示すものではある。かくして、この文章を書いている現時点では、ローンウルヴズに対しては全く刑罰が下されていないのであった。
ドラグーン・レーティング: 未評価
ローンウルヴズ
現在、ローンウルヴズの“コミッティー”と生き残りの戦士達は未だに惑星“ガラテア”にて損傷した自らの機体を修理中であり、それらの活動への資金を融通する為に容易な短期契約を捜している。しかしながら、惑星“アウトリーチ”に於ける一連の事件についてのその蔓延している疑惑の所為で、かような契約の大部分は今の所は瀬戸際まで追い詰められている地方の貴族からしかもたらされていない。ローンウルヴズは、惑星“アウトリーチ”に於ける反ウルフ竜機兵団攻撃を率いた離反者はワコーの一味に自分達を誘い込む事を意図したワード・オブ・ブレイクの潜入工作員と思われる、との主張をしており、ワード・オブ・ブレイクとの交渉は一切拒否している。