所属: 自由世界同盟、第1レグルス軽機隊、イースタン・スター打撃大隊
部隊指揮官: ジェラルド・キャメロン=ジョーンズ大尉
部隊規模: 1個メック中隊
部隊練度: 一般
歴史:
ローリング・サンダー中隊は、3015年に、ヤノス・マーリックとその弟のアントンとの間の内戦によって壊滅した第1レグルス軽機隊の3個中隊の生き残りから創設された。そして、ヴィク“切り裂き(リッパー)”デーヴィス大尉が中隊指揮官として任命されたのであった。“切り裂き”デーヴィスはサディスト的な喜びと共に、可能な限り短期間で部隊を戦闘可能状態へ鍛え上げよ、という自分が受けた命令の遂行に取り掛かった。彼の罵詈雑言と肉体的虐待が惜しみなく加えられた後、1年後には、部隊は戦闘準備態勢が整ったとの判定が下され、“リッパー略奪隊”との愛称が付けられた。
リッパー略奪隊は、程無くその戦闘技能を試す機会が与えられた。3016年後半、第1レグルス軽機隊はライラの惑星“ディキシー”への襲撃に参加した。この時、軽機隊は、襲撃部隊の主力である傭兵部隊ウルフ竜機兵団の左側面を援護した。そして、この戦闘は良好に進展した事によりライラの防衛軍は撤退を強いられる事となったのであるが、この時にライラの強襲中隊がウルフ竜機兵団を待ち伏せ攻撃し、彼等を分断の危機に晒した。ここでリッパー略奪隊は損害を無視してライラの中隊の側面に猛進し、彼等を四散させた。この激烈な戦闘はリッパー略奪隊のメックの半数を破壊したが、マーリックの襲撃部隊の急場を救い、敵軍がウルフ竜機兵団の側面に回りこむ事を阻止したのである。この王家部隊の勇敢な行動に驚いたジェイム・ウルフ大佐は、リッパー略奪隊の戦闘方法は「ローリング・サンダー」の如きものであった、と評した。そして、この愛称は定着し、程無く中隊の公式の名称となったのであった。
しかし、中隊はその栄誉に満足する事はなく、続いての2年間に渡ってライラ戦線沿いの重襲撃部隊の一部としてウルフ竜機兵団と同行した。この長く厳しい作戦行動の中で中隊はその限界まで酷使され、それにより今やそのメックの大部分が辛うじて機能しているという状態になっていた。最終的に3019年中期、部隊は惑星“テベレ”での再建/休養と駐屯任務の為にレグルス公国まで戻された。
2年間に渡るこの平穏な任務は、部隊が完全戦力状態に再建する事と、その惑星の首都を見晴らせる丘陵にて激しい訓練演習を実施する事を可能とした。そして、その時に、現在の支配一族を打倒する為の反乱を惑星“テベレ”の住民達が起したのであった。ローリング・サンダーは治安回復を可能とする前に、自らが市民達への残虐行為の遂行を強いられる苦しい市街戦に掛かり合うのを見出す事となった。そして、反乱後の現地がローリングサンダーに対して抱く怨恨を鑑みて、レグルス最高司令部は部隊を惑星“レグルス”の宙域首都の警備任務に転任させたのである。
3021年後半、部隊は自由世界同盟の首都である惑星“アトレウス”に存在する自由世界同盟議会の警備任務に選抜された。その大部分の戦士達が、“アトレウス”での警備任務を退屈な仕事ではないか、と考えていた事により、ローリング・サンダーの経験豊富な兵達はそれを“つまらない任務”であると苛立った。そして、デーヴィス大尉がその常の通りの直接的な方法で以ってこの不満に対処した後、メック戦士達の幾人かは程無く様々な怪我での病気欠勤を見せる事となったのであった。この時以降、部隊はその任務を事件を起す事なく果した。この期間中の最大のハイライトは、3022年、9月、ローリング・サンダーがドラコ連合の中央保安隊(ISF)の長官であるサブハッシュ・インドラハアの“アトレウス”への来訪を歓迎する儀杖隊の一員に選抜された時にもたらされたものである。
3022年、12月、ローリング・サンダーは惑星“レグルス”での警備任務が再び割り当てられた。そして、そこに到着した際に、中隊は新たな指揮官、ジェラルド・キャメロン=ジョーンズ大尉を迎え入れた。しかしながら、この新たに昇進した士官は部隊にとって見知らぬ者ではなかった――彼は、僅か3年前には火力小隊指揮官として任に就いていたのである。
3023年1月から3024年11月に掛けては、部隊は惑星“レグルス”での駐留任務とライラ国境での国境警備任務を交互に行った。この任務は、攻撃されやすい惑星への駐留とライラ領域への時折の襲撃で主として構成されていた。両陣営共に自分達自身を探査攻撃に限定しており、この期間は部隊にとって比較的平穏なものであった。
3024年、12月、ローリング・サンダーは対反乱計画任務の為に工業化された惑星“テベレ”に派遣された。最近の諜報レポートが、反体制グループが幾つかの極めて重要な兵器工場にてストライキとサボタージュを計画している事を指し示していたのである。反体制グループがその活動を明白な反乱へとエスカレートした時に、ローリング・サンダーは幾つかの市街戦を通じての治安回復に苦闘した。その翌月の後半、部隊は反乱側への離反を意図した別のレグルス軽機隊の部隊を自らが制圧するのを経験する事となった。そして、ローリング・サンダーの現体制への忠誠を些か試すものであったこの激しい終日に渡った戦闘にて、部隊は離反者達を撃滅したのであった。
その年の5月、ローリング・サンダーはその地で5年以上に渡って起り続けているゲリラ戦争を鎮圧する為に惑星“ホン・チャオ”へ駐留させられた。しかし、同等の条件で戦う事を拒否する神出鬼没の相手と戦闘をした部隊は程無く、ゲリラ戦を経験した全ての通常部隊が抱く事となる欲求不満を学んだのであった。無益に終った5ヶ月間の索敵撃滅任務の後、レグルス最高司令部は失敗を認め、部隊の再配置をした。
3025年、11月、ローリング・サンダーとその親連隊はカペラ戦線へ移動させられた。最近のリャオによる襲撃は2勢力間の平和協定を緊張を掛けており、それ故にヤノス・マーリックはカペラに対し彼等自身がしたのと同じ手で報復するのを決断したのであった。連隊が惑星“キャロウェイIV”に到着するのと同時に、彼等に対してマッカロン装甲機兵団が攻撃を仕掛けてきた。しかし、この傭兵部隊が彼等の様な軍事作戦で鍛えられた敵手との交戦を想定していなかった故に、第1レグルス軽機隊は程無くこの攻撃を撃退した。しかし、この傭兵部隊は、実に幸運な事に、一塊になって逃れられたのであった。
翌週から、連隊はカペラ人達を訪問して回った。リャオ国境沿いの一連の襲撃にて、第1レグルス軽機隊は自分達が恐るべき敵手である事を証明した。特に、ローリング・サンダーは、惑星“ナンキン”、“セントアンドレ”、“インガソル”、“ラバーラ”に幾つかの襲撃を行い成功させていた。レグルス軽機隊はカペラ人を長年に渡って軽蔑していた故に、この新任務を徹底的に楽しんだ。
1年後、連隊が駐留任務の為にレグルス公国へ戻されて際配置された際に、ローリング・サンダーは惑星“ウォリス”での対反乱計画任務を割り当てられた。ローリング・サンダーが到着した2週間後、現地軍が惑星の支配権を自分達にもたらす事になるクーデターを実行した時に、革命が差し迫っているとの噂が正しかった事が証明された。中隊は辛うじて待ち伏せ攻撃を逃れ、続いての3ヶ月の間、敵のパトロール部隊と気圏戦闘機部隊を巧みに回避していった。そして、3027年後半、最終的に救援が到着した際には、この部隊はその常の通りの獰猛さで以って反乱を鎮圧できたのであった。
3027年、4月前半、ローリング・サンダーは惑星“レグルス”の駐留任務に就いた。そして、ライラ戦線での来る任務に備えて、中隊はその有効性を回復する為に激しい訓練で6ヶ月間を費やした。
3027年、10月前半、ローリング・サンダーは他の第1レグルス軽機隊と共にライラ戦線へ派遣された。彼等が受けた命令は、シュタイナー軍の体勢を崩し続ける事と、将来の攻勢作戦用の下地を作る事であった。続いての8ヶ月間、ローリング・サンダーは“ポールスボ”、“フォード”、“ロリック”、“ディキシー”等のライラの惑星に対しての多数の攻撃に参加した。これらの大小の襲撃はライラ人達に手酷く叩くものであったが、同時に連隊の整備兵達――特にローリング・サンダー中隊の整備兵達――を忙殺させ続けるものでもあった。
その創設以来、ローリング・サンダーは連隊の最高の部隊の1つとなっている。常に戦闘準備が整っているこの中隊は、不和で分裂している自由世界同盟の中で多数の機会を見つけ出している。盗賊達の拠点の破壊からライラのメックをスクラップへと叩き壊す事まで、ローリング・サンダーはその任務を名誉と素早さで以って果している。その隊員達は彼等が仕える国家と同じ様に個人主義的で争いを好んでいるのではあるが、ローリング・サンダーのメック戦士達は500年以上も前にオリジナルのレグルス軽機隊によって打ち立てられた高水準の伝統を守り続けているのであった。
戦術/編成:
ローリング・サンダーの編成は標準的なバトルメック中隊とは多少異なっているが、その親連隊の範囲内では効果的なものである。この部隊はその編成が示している通り、速度よりも火力の方を重視して構成されている。例えば、その攻撃小隊は、重偵察小隊と主戦闘への参加能力を持った高速側面攻撃部隊の双方の役割を果しているのである。
(この部隊は)概して、火力小隊が部隊の基幹火力を提供し、一方、指揮小隊が敵に接近をし、攻撃小隊が敵の弱点を探る。接敵移動に於いては、指揮小隊と火力小隊からの2機の軽量級メックが前方を偵察し、攻撃小隊が前衛部隊を構成し、中隊の残りが主隊を構成する。後退作戦の際には、攻撃小隊が中隊の後退を援護し、また同時に火炎放射器を装備したメック群が部隊の後退を覆い隠す煙幕を作る為に放火をする。
その親連隊と同様、ローリング・サンダーは敵との近接戦闘を好んでいる。クリタの部隊ほど血に飢えてはいないが、この中隊は手強い戦闘を愛し、敵との交戦を躊躇はしないのである。そして、この軍事的気質は、現在の限定戦争時代に於けるこの部隊の恐ろしいほどの名声を高めるのに役立っているのであった。
この部隊の他の余り立派ではない側面は、その調達(くすねる)能力にある。カールフスキー軍曹の有能なリーダーシップの下、ローリング・サンダーはその必要とするものを常に見つける事を為し遂げているのである。その補給の源について聞かれた際、カールフスキー軍曹は「あなたが誰を知っているのかが問題なのではない。あなたがどれだけその人の事について知っているのかが問題なのだ」と、返答をしている。
中隊の経験レベルは、そのメンバーの大部分が戦闘経験を有している事により、全般的に良好である。しかしながら、最近の損害と新たな補充人員の為に、この中隊は連隊の中で最も総合的な経験レベルが低い部隊の1つとなっている。キャメロン=ジョーンズ大尉がそれらの新人メック戦士を有効に使えられるかどうかは、時が経てばわかるであろう。
キンチュハラ大佐(第1レグルス軽機隊指揮官)は、ローリング・サンダーの良いものと悪いものの双方の名声を、良く知っている。キンチュハラ大佐は行儀の良さよりも高い能力の方により多くの注意を払っている故に、戦場で良好な成果を出し続ける限り、この部隊は常に彼の確固とした支援を受け続けるであろう。
ローリング・サンダー部隊編成
指揮小隊
ジェラルド・キャメロン=ジョーンズ大尉(操縦2、砲術2)、BLR-1G バトルマスター
アレクサンドラ“レクシィ”チェレンコフ中尉(操縦4、砲術3)、VTR-9B ヴィクター
ポール・ドヴリーズ(操縦5、砲術5)、HBK-4G ハンチバック
ピーター・ヤンセン二等軍曹(軍曹)(操縦3、砲術3)、HER-2S ヘルメスII
火力小隊
キャスリン・ギャリック中尉(操縦4、砲術4)、AWS-8Q オウサム
ルーカス・マッケイン(操縦5、砲術4)、ARC-2K アーチャー
ミハイル・チェレンコフ(操縦5、砲術4)、WHM-6L ウォーハンマー
ロバート・ブラックウェル(操縦5、砲術4)、FS9-H ファイアスターター
攻撃小隊
フランシス・キャニー中尉(操縦5、砲術5)、OTL-4D オストソル
エステバン・ロドリゲス(操縦7、砲術6)、OSR-2C オストロック
ジェイコブ“クレイジー・ジェイク”ビアンコ(操縦5、砲術4)、SHD-2H シャドウホーク
アントン・カールフスキー軍曹(操縦4、砲術3)、WVR-6M ウルバリーン−M