イアン・ダヴィオンとハンス・ダヴィオンの最高機密の1つが、このワイルド・ギースである。長年に渡り、この部隊は恒星連邦の方々をパレードし、恒星連邦装甲機兵団とほぼ同様の軍事行動をしていた。しかしながら、ワイルド・ギースは専らダヴィオンの正規部隊の1つを装っていたのであった。この事は、作戦が失敗した場合にはもっともらしい否定権を、成功した場合には望外のプロパガンダを、AFFSに与えた。ワイルド・ギースにとって、名声や栄誉を受ける事は重要ではなかった――自分達の故郷と家族を守る事こそが遥かに大きな使命であったのである。
アレン・フォークナー准将はAFFSから退いた後に、ワイルド・ギースを創設した――イアン・ダヴィオンが国王になる以前の事であった。フォークナーは機甲戦術と機動戦の熱心な支持者であり、この信念は彼を自身の同僚達の間に於いて不可解な人物へとしていた。しかし、彼と彼のワイルド・ギースは3006年、ブラックウィンド・ランサーズとマリオン・ハイランダーズの両方を食い止め惑星“ヴァレクサ”からの撤退を強いた後に、イアン・ダヴィオンの注目を引いた。そして、イアンは1つの条件――彼等は展開の際には他のダヴィオン部隊の旗を掲げなければならない、というものと共に、フォークナーへ彼の部隊に全面的な作戦上の権利をもたらす事になる有利な契約をもちかけたのであった。イアン国王は、それは敵を混乱させ彼自身の軍の沈降中の士気を梃入れするものになるであろう、と説明した。
それから続いての40年強の間、ワイルド・ギースはAFFSの他の名声ある正規連隊の多くよりも多数の戦闘を戦った。そして、3051年、彼等は惑星“ブラックジャック”への極秘の襲撃に於いてジェイドファルコンと向き合った。フォークナーは際立った作戦で戦ったが、ジェイドファルコンの優越した訓練と技術は手に余るものである事が証明された。フォークナーは自身の打ちのめされた部隊に撤退を命じ、その一方で彼と彼の指揮中隊は後衛戦を戦った――そして、彼は自身の部隊を救う為の奮闘の中で戦死したのであった。
打ちのめされ意気消沈したワイルド・ギースは、その戦死した僚友達を追悼する為に故国に戻った。ハンス・ダヴィオンは彼等に休養を命じ、彼等が完全に任務に復帰できる状態になるまでの間支払いを続ける事に同意した。そして、このプロセスは、完遂に10年近くを費やす事になる連隊全体の再編成を含むものであった。“ツカイード”での氏族の敗北後、ワイルド・ギースの新・指揮官であるアリサンディ・フォークナーはコムガードの編成に非常な興味を抱き自分の部隊にそれを採り入れ、3062年にはワイルド・ギースは戦闘可能状態に戻った――そして、この時になって初めて、部隊はその独自の旗の下に立ったのであった。カペラ=セントアイヴズ戦争の最中には、ワイルド・ギースはブラックウィンド・ランサーズが惑星“アンバーグリスト”から逃れるのを助け、その後に惑星“シェラータン”にて第13ストーキング・ホースと共に戦う為に傭兵連合軍に加入した。現在、ワイルド・ギースは惑星“アルタ・ヴィスタ”に駐留している。
ワイルド・ギースの塗装は、連隊の各戦隊を表すハイライトのされた様々な色調の黄褐色と茶色である。彼等の徽章は、ブロンズの額縁の黒い背景に座す様式化された前に向かって羽を広げているブロンズのガチョウである。
ドラグーン・レーティング: A
主要士官
アレン・フォークナーの孫娘であるアリサンディ・フォークナー准将は、第1恒星連邦装甲機兵団から自分が退職した後にワイルド・ギースの指揮を引き受けている。彼女は天賦の才能に恵まれた戦術家かつ機動戦の研究者であり、ワイルド・ギースを気力で以って崩壊から守っている。
サンディー・ライヒ少佐は真正の強襲パイロットであり、氏族の兵器とジャンプジェットで以って改修されたサグを操縦している。元・コムガードの戦士である彼女は、ブルドッグ作戦後にワイルド・ギースに加入した。彼女のコムガード戦術の経験は、非常に貴重なものである。彼女はアリサンディと非常に良く似ており、この事は多くの者に彼女達が姉妹なのではないかとの想像を巡らさせている。
ワイルド・ギースの戦術指揮官かつチコノフ公の勘当された孫息子であるポール・ボウマン大佐は、情報――より暗い情報――を収集するという趣味を持っている変わった男である。
“クレイジー”デイヴ・スタッテンロス中佐は、連隊の副指揮官である。彼はこの部隊のスツーカで構成されている気圏戦闘機航空中隊を指揮しており、地上支援作戦の際には「お前はゆっくりと死ぬ」と言うのを好んでいる。
戦術
ジョージ・S・パットン将軍(“地球”の遥か昔の軍司令官)の機動戦を奉じているワイルド・ギースは、その装甲部隊と歩兵部隊を目標を釘付けにする為に使用し、その間にそのバトルメックと気圏戦闘機を目標を破壊する為に使用する。
支援
ワイルド・ギースは、3隻のインベーダー級航宙艦の支援を持ち、その連隊全てと支援部隊を輸送するのに十分な降下船も持っている。その技術者達は、90%のレーティングを与えるのに十分な支援を提供している。
ワイルド・ギース |
|